今日はカウンセリングで用いるFAP療法の簡単な説明と、カウンセリング前後で起こる反応と、過ごし方について解説します。
カウンセリングで使うFAP療法って何するの?
以前紹介したセルフでできるFAP療法は タッピングなどから独自に発展し
感情と繋がる指のツボを押さえてストレスを処理していくというものでした。
一方カウンセリング内で使用するFAP療法は、現代催眠という療法がベースになっています。
催眠というと日本では一般的な古典催眠としての催眠術のイメージが強いですが、それは催眠の本質として誤解や歪曲がある姿です。
心理療法としての催眠は本質として全く別物ですが突飛なものでもなく、良いコミュニケーションの中に内包して存在しているものです。
例えば幼少期『あなたは勉強ができない』などと言われていると 勉強ができないって何だろう?とか、勉強しているのに.. とか どこからが勉強できる人なんだろうとか頭は混乱していきます。
そのうちにやってみてもないのに自分はできないから(植え付けられた自己イメージ・暗示)と、やらなくなったり(学習性無気力)、本当は試してみると出来たことも、楽しいと感じたかもしれないことも育たないまま その人の本質は封印されていきます。
これも、いわゆる催眠状態であると捉えられるのです。
言葉で人は催眠状態に入っていくのですね
それを自分も相手も、その人の本来持っている状態が縛られず生かされるようなコミュニケーションが現代催眠です。(かなり要約しています)(コミュニケーションとは、非言語的コミュニケーションも含む)
FAP療法では、身体的なコミュニケーション(現代催眠でいうチューニングという技法。また単発で記事にします)も使いながら、
言葉で催眠状態に入るというものを利用していきます。ストレス状態を擬似的に引き出す言葉をクライアントさんに繰り返し唱えてもらいながら、
カウンセラー側では 恐怖・怒りなど、その状態で未処理だった主要なトラウマ感情の言葉をフィードバックしていきます。
「怒り」という言葉を聞くと その人が意図せずとも勝手に怒りの脳の部位が動きます。
昔その場で処理しきれなかったストレスが脳や体をただよい(例えです)
記憶に整理されていかないことで、例えば『昔父に怒られて怖かった』という場面が
(怖い)と(父に怒られた場面)が本来一緒に「記憶」となって整理されていくはずのものが
バラバラになります。
その大きな未処理のデータを整理してしまいたい脳は、
『上司に怒られた』という異なる場面や、それを予期させるもの『結婚の挨拶で緊張感のある相手方のお父さんに会う』場面や その時の季節や温度の身体感覚(怒りの熱い感じが、お風呂に入ることが体にとっては想起となって胸がバクバクするとか)、似た匂いに対して自覚なく体調が悪くなったり などを整理しようとプログラミングにのっとって引き起こします。
激しい場面では本当に記憶が飛んでしまう場合なども多くあり、(ここで言う『父に怒られた』)そうなると一層
身体の不快感(怒り)が 整理できなくなり、熱い感じ、ビクッとなる感じ、力が向ける感じ、力がみなぎる感じ、などの情報だけが残ってしまいます
それがいわゆる緊張や、パニック、その他いろいろな症状と呼ばれるようになったいくのですね。
それをFAPでは指(脳と繋がっている部位、他の療法だと胸や足の経絡を使用したりします)や催眠技法を使用しながらフィードバックし、整理していくと言う治療になっています
⭐️詳しくは公式のFAP療法は言葉を使って催眠誘導をお読みください
カウンセリングの前後で起こること
カウンセリングでは、無理に昔の出来事を思い出したり話す必要はありません。
口に出すだけでしんどくなるような出来事もあります。
何度もその場面を思い出すことは、現在のバランスを崩すこともあります。
体力のある若いうちや、出来事が起こってすぐの急性期には大変効果的だと思いますが、
何年も向き合っている悩みなどだと返って反作用的に働くこともあると思います。”無理なく””自分のペースで”が急がば回れで結果的に近道となるようにも思います。
負担の少ないFAPでも、カウンセリングの受け初めはしんどくて、だんだんと楽になっていくパターンの方が一定数見受けられます(もちろん決まったルートを辿らない人も同じ数だけいます)
そういったパターンを辿る方達は 最初の受け初めは動くのが少しだるい、悲しい、涙が出るなどの様子が表出することがあるようです
三ヶ月かけて、だいたい受けるのが楽になってくるとのこと。
直前
しっかり水分補給して、楽な格好・体制で
直後
急激に眠くなることもあります。したがって、運転時はそのことを頭に入れておいてください。
話したり集中したりして体力を使い脱水のようになりますので、特に、しっかりお水を取ること。
吸収・排泄率が良いので、直後はなるべく水道水以外をよく飲みましょう。
少し高揚したり、沈んだりと言う反応が出ることもあります。しかし、何日かしっかり眠ると落ち着きますので、気にしすぎないようにお過ごしください
その後〜4日間ほど
夜、整理される過程で脳がいつも以上に動くため(ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、扁桃体(感情をつかさどる脳の部位)が通常以上に活性化します)悪夢を見ることが多くあります。気にしすぎず大丈夫です。
その結果、そういった脳内の情報が整理されていく過程で、いつも以上に睡眠を必要とすることがあります。(個人差あり)
感覚が掴めるまでは、1〜2時間は多めに時間を取れるよう見積もっておくと安心かもしれません。
そして、その状態が〜4日ほど続くことが予想されます。4夜ほど空けてカウンセリングを受けるのを推奨しています。(緊急時を除く)
どれくらい受けるの?
それぞれ持っているものが異なるので個人差があります。また、それぞれの感覚に委ねられています。
お悩みによっては3回ほどで 必要性を感じなくなる方などもいますが稀で、
ある程度の回数はかかることが予想されます。ですので、いろいろな療法なども併用しながら、取り組んでみてください。
月単位で様子を見るのではなく、回数で考えるイメージです。
(例えば月一回だと、3回で三ヶ月。週一だと、一ヶ月など)
その人のタイミングなどもありますので、焦ってもいい、焦らなくてもいい。
自分の間隔でお好きに受けてみてください。

