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境界型人格障がい(BPD)は、感情の不安定さや対人関係の困難、衝動的な行動などを特徴とする精神疾患です。近年、BPDに関する研究や治療法が進展し、より効果的な支援が可能となっています。本記事では、BPDの理解と対応について解説してみます。『日本精神医学研究センター』おすすめサイトです
1. BPDの診断と発症傾向
BPDは、主に18歳から25歳の若年層で発症しやすく、女性に多く見られる傾向があります。日本における有病率は約0.5%〜1%と報告されています。診断には、DSM-5やICD-11の基準が用いられ、感情の不安定性や衝動性、対人関係の問題などが評価されます。また、Structured Clinical Interview for DSM-5(SCID-5)やMinnesota Multiphasic Personality Inventory(MMPI)などの心理検査も活用されます 。wiki(EN)
2. 最新の治療法とその効果
BPDの治療には、心理療法が中心となります。特に、弁証法的行動療法(DBT)や力動的精神療法(TFP)が効果的とされています。DBTは、感情調整や対人スキルの向上を目指し、個別およびグループセッションを通じて行われます 。一方、TFPは、患者と治療者の関係性(転移)を通じて、自己と他者の認識の統合を図ります 。(カウンセリング内は安全な場ですので、治療者に転移した感情を話してもらって大丈夫です。コミュニケーションの練習の場としてお使いください)
薬物療法は、BPDの中核症状には限定的な効果しか示していませんが、併存するうつ病や不安障害などの症状に対しては、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などが用いられることがあります 。wiki(JP)
3. 脳科学から見たBPDの特徴
最新の神経科学研究では、BPD患者は拒絶に対する感受性が高く、他者からの拒絶を受けた際に、脳の前頭前野内側部(rostro-medial prefrontal cortex)の活動が低下することが示されています。この領域は、社会的なつながりを維持するための行動や他者の感情を理解する際に重要な役割を果たします 。てんかんとの関連も
4. COVID-19パンデミックとBPD
COVID-19パンデミックは、BPD患者にとって特に困難な時期となりました。社会的距離の確保や外出制限により、対人関係の希薄化や孤独感が増し、自己傷害や自殺企図のリスクが高まったと報告されています 。また、思春期の患者では、家族との関係性が症状の悪化や改善に大きく影響することが示されています 。(家族療法的なアプローチとアセスメントを組み込みます)
5. BPDと他の精神疾患との関係
BPDは、うつ病や不安障害、PTSD、物質使用障害などと併存することが多く、これらの併存症が回復の妨げとなることがあります。長期的な研究では、これらの併存症の有無がBPDの回復に影響を与えることが示されています 。愛着的問題のベースが併存することも
6. 性差とBPDの症状
BPDは女性に多く診断されますが、男性にも同様に見られます。物質使用障害を併発することが多いとされています 。また、思春期の男女では、BPDの特性と抑うつ症状の関連性に性差があることが報告されています 。
7. BPDの再定義に関する議論
一部の専門家は、BPDを「複雑性PTSD」と再定義することを提案しています。これは、BPDの症状がトラウマと密接に関連しているとする見解に基づいています。(私はこの理論を推しています。)
まとめ
境界性人格障がい(BPD)は、早期の診断と適切な治療により、回復が可能な精神疾患です。最新の研究や治療法の進展により、BPD患者への理解と支援が深まっています。今後も、個々の患者に合わせた柔軟な対応と、社会全体での偏見の解消が求められます。
追記:セルフでできる現代催眠の技法や、FAP療法における遺伝子コード(催眠)のお話も少しずつ書いていきます